セラピストとエステティシャンの違いとは？特徴・働き方・なり方を解説

「セラピストとエステティシャン、私にあった仕事はどちらだろうか？」

「それぞれの具体的な違いが知りたい」

セラピストやエステティシャンに興味はあるけれど、それぞれの違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか？

セラピストとエステティシャンは、目的や施術内容が異なります。

この記事では、セラピストとエステティシャンの概要や施術内容、働き方の違いについてわかりやすく解説します。

自分にあった職業が明確にし、キャリアを積んでいくための一歩を踏み出しましょう。

セラピストとエステティシャンの概要

セラピストとエステティシャンは、似ているようで目的が異なります。

それぞれの概要を見ていきましょう。

セラピストとは？

セラピストは、お客様の心身にアプローチし、内面的なケアを実施する専門家です。

主な目的は、ストレスや疲れを和らげ、心身のバランスを整えてリラクゼーションを与えることです。

アロマオイルを用いたアロマセラピーや、色彩の心理的効果を利用するカラーセラピーなど、さまざまな手法で自律神経を整えるサポートをします。

ほとんどのサロンでは施術前からリラックスできるよう、心地よいヒーリングミュージックやハーブティー、落ち着いた照明や香りなど、五感に働きかける空間作りをしています。

施術前のカウンセリングでお客様の心の状態にも耳を傾けるため、安心感を与えるコミュニケーションや細やかな心遣いが求められる職業です。

エステティシャンとは？

エステティシャンは、お客様の外見に関わるケアをサポートする美容のプロフェッショナルです。

「肌をきれいにしたい」「痩せたい」といったお客様の具体的な要望に応えるため、フェイシャルケア・ボディケア・脱毛など、顔や身体の美容ケアを実施しています。

施術はハンドマッサージだけでなく、専門の美容機器を使用する場合も多いのが特徴です。

そのため、肌や身体の構造に関する幅広い美容知識、機器を安全かつ効果的に扱う技術が不可欠です。

また、お客様の悩みに寄り添うカウンセリング力や、美を提供する専門家としての清潔感も求められます。

外見磨きを通じて、お客様に自信と輝きをもたらすサポートをする美の専門家です。

セラピストの施術内容

セラピストの施術は、主に心身のリラクゼーションを促すものです。

代表的な施術には以下のようなものがあります。

• アロマセラピー
• リフレクソロジー
• カラーセラピー

アロマセラピー

アロマセラピーは、植物から抽出した精油（エッセンシャルオイル）を使用した、セラピストの代表的な施術の1つです。

施術前のカウンセリングでお客様の好みを確認したうえで、最適な精油を選びます。

強い力を加えるよりも、心地よい香りと穏やかなタッチを組み合わせることで、深いリラクゼーション状態へと導き、心身の緊張をほぐすことを目的としています。

精油に関する幅広い専門知識が求められる施術内容といえるでしょう。

リフレクソロジー

リフレクソロジーは、主に足の裏や手のひらにある「反射区」と呼ばれる特定のエリアを刺激する施術です。

この施術は、反射区が全身の各部位や臓器に対応しているという考えに基づいています。

反射区を適度な圧で刺激することにより、対応する身体器官の働きを促し、血流の改善や自然治癒力の向上、深いリラックス効果を目指します。

服を着たまま椅子に座って気軽に受けられる場合も多いため、短時間でのリフレッシュにも適しているでしょう。

お客様の好みや体調にあわせて、力加減を調整する技術が重要です。

カラーセラピー

カラーセラピーは、色が持つ心理的・生理的な効果を活用して、心身のバランスを整えることを目的としたセラピーです。

お客様に直感で好きな色や気になる色を選んでもらい、その色が象徴する意味やお客様の心理状態について対話を進めていきます。
選んだ色を通じて、お客様自身が自分の内面にある思いや考えに気づくことで、悩みや不安の解消につなげていきます。

エステティシャンの施術内容

エステティシャンがする施術は、お客様の外見的な悩みを解決した上で、美しさを引き出すことに焦点を当てています。主な施術内容は以下の通りです。

• 美肌ケア
• ボディケア
• 脱毛
• ブライダルエステ

美肌ケア

美肌ケアは、お客様の肌悩みに特化してアプローチする施術です。

クレンジング・マッサージ・パックなどを組み合わせ、美白ケア・ニキビケア・毛穴ケア・エイジングケアといった専門的な治療をしていきます。

最近では、小顔を目指すためのマッサージ技術を取り入れているサロンも多く存在します。

施術だけでなく、肌質にあったホームケアの方法をアドバイスしたり、化粧品を販売したりすることもエステティシャンの役割です。

ボディケア

エステサロンのボディケアは、主に痩身や体型維持を目的としています。

エステティシャンの手技によるリンパマッサージや揉み出し、または専用の美容機器を使用して施術をします。

美容機器を扱うことがあるため、エステティシャンの高い技術や豊富な知識が求められる施術です。

脱毛

脱毛は専用の脱毛機などを使用して、ムダ毛を処理することに特化したサービスです。

お客様の希望する部位や全身に対して施術をしていき、毛を薄くしたり、生えにくくしたりすることを目指します。

マッサージなどは行わず、ムダ毛の処理に焦点を当てている点が他の施術と異なる点です。

近年、女性だけでなく男性や子ども向けの脱毛サービスも増えており、ニーズの高い分野です。

デリケートな部分も扱うため、徹底した衛生管理と専用機器を安全に正しく操作する知識・技術が求められます。

ブライダルエステ

ブライダルエステは、結婚式を控えた花嫁を対象とした専門のエステティックプランを指します。

結婚式当日に最高のコンディションで臨めるよう、フェイシャルケア・ボディケア・脱毛などを組み合わせるのが特徴です。

数か月から半年にわたってじっくりと肌質改善や痩身に取り組む長期的なプランや、結婚式の直前にドレスから露出する部分をケアする短期プランもあります。

セラピストとエステティシャンの働き方の違い

セラピストとエステティシャンの働き方にはどのような違いがあるのでしょうか？

ここでは、以下の2点について解説していきます。

• 給料
• 働ける施設や働き方

給料

セラピストとエステティシャンの給与は、サロンなどに正社員として勤務する場合、年収で300万円から400万円程度とされています。

ただし、両職種ともに、個人の技術力や人気が収入に直結しやすい点が特徴です。

中には、基本給に加えて、施術件数や指名、化粧品などの販売実績に応じた歩合制を導入している企業もあります。

そのため、お客様からの支持を集め、売上成績を上げることで収入アップも期待できるでしょう。

さらに、経験を積んでフリーランスとして活動したり、自身のサロンを開業したりすることで収入や働き方の幅は大きく変わっていきます。

働ける施設や働き方

どちらの職種でも、働ける場所や働き方はさまざま存在します。

エステティシャンは、エステサロンやホテル内の併設サロンが主な勤務先ですが、スパや温泉施設などで働くことも可能です。

一方のセラピストは、リラクゼーションサロンやアロマショップのほか、ホテルや温泉施設などで働くケースが見られます。

雇用形態については、正社員・パート・アルバイトとさまざまです。

また、どちらの職種も専門技術を活かして、フリーランスとして業務委託で働いたり、経験を積んだ後に独立開業したりする道も開かれています。

セラピスト・エステティシャンになる方法

セラピストやエステティシャンになるためには、専門的な知識と技術を身につける必要があります。

主な方法は以下の2つです。

• 専門学校やスクールに通う
• 未経験の状態でサロンに就職する

専門学校やスクールに通う

セラピストやエステティシャンになるための一般的な方法は、専門学校や美容スクールで必要な知識と技術を学ぶことです。

エステティシャンを目指す場合は、総合的な美容知識を基礎からしっかり習得できる専門学校やスクールが選ばれる場合が多いとされています。

一方、セラピストの場合は、特定の国家資格が必要になることもあります。

例えば、医療系や福祉系のセラピストは国家資格が必須であり、指定された大学や専門学校で学び国家試験に合格しなければなりません。

また、民間資格が中心のアロマセラピストなどでも、スクールで学ぶことで信頼性の高い技術が身につきやすいでしょう。

未経験の状態でサロンに就職する

専門学校に通わなくても、「未経験者歓迎」として求人を出しているサロンに就職し、働きながら学ぶ道もあります。

この場合、サロンが独自に設けている研修プログラムを通じて、必要な技術や接客マナーを習得していくのが一般的です。

施術技術だけでなく、予約管理・清掃・お客様対応など、サロン運営に必要な業務全般を現場で経験できます。

ただし、学べる知識や技術がそのサロンの流派に限られる可能性や、基礎的な理論を体系的に学ぶ機会が少なくなる点には注意が必要です。

即戦力として幅広いキャリアを築く上では、先に専門学校などで基礎を固めておくほうが有利になる場合も多いでしょう。

セラピストとエステティシャンはどちらがおすすめ？

セラピストとエステティシャンで迷っている場合、どのような基準で選べば良いのでしょうか？

ここでは、具体的な判断基準を紹介します。

心身の癒しに興味がある場合はセラピスト

心身の癒しやメンタルケアに関心がある方には、セラピストがおすすめです。

セラピストの施術は身体の緊張をほぐすだけでなく、ストレスや不安を和らげ、内面からリラックスしてもらうことを主な目的としています。

そのため、お客様の悩みや疲れに優しく寄り添える人や、相手の気持ちを敏感に感じ取れる人に向いています。

アロマセラピーやリフレクソロジーに加え、サロンによっては心理カウンセリングやヨガなどさまざまな働き方があるため、自分にあった施術スタイルが見つかるでしょう。

美容に興味がある場合はエステティシャン

外見的な美しさの追求や、具体的な美容の悩みを解決することに興味がある方は、エステティシャンが向いています。

エステティシャンはスキンケア・痩身・脱毛など、お客様の「キレイになりたい」という要望に、専門知識と技術で応える仕事です。

美容に関するトレンドや技術は日々新しくなるため、常に最新情報をキャッチアップしながら学び続ける意欲が求められます。

また、お客様に美を提供するプロフェッショナルとして、エステティシャン自身が清潔感や美意識を高く持つことも重要です。

目に見える結果を出すことにやりがいを感じ、美容への探究心が尽きない方にとって、エステティシャンは魅力的な職業と言えます。

まとめ

本記事ではセラピストとエステティシャンの違いについて、施術内容や働き方、目指す方法まで解説しました。

• セラピストは、主にアロマや対話を通じて「心身の癒し」を提供し、内面のバランスを整える仕事
• エステティシャンは、手技や美容機器を用いて「外見の美」を追求し、肌や体型の悩みを解決に導く仕事
• セラピストはリラクゼーション、エステティシャンは美容が主な目的
• どちらもサロン勤務から独立開業まで多様な働き方が可能
• 自分の興味が「癒し」にあるのか、「美の追求」にあるのかが選択の鍵

セラピストとエステティシャンは、どちらも人々に喜びと自信を与える素晴らしい職業です。

この記事を参考に、自身が何をしたいのかを見極め、あなたにあった仕事を選択しましょう。