足の裏には「反射区」といって臓器や器官とつながる抹消神経が集中するスポットがあります。
足裏にある反射区を刺激し、体調を整えたり心身をリラックスさせたりする足つぼマッサージやリフレクソロジーは、疲れた現代人の心身のリラクゼーションとして注目されています。
そんな魅力あふれる足つぼマッサージやリフレクソロジーで独立開業する人も増えています。
ここでは、リフレクソロジストとして開業するために必要なこと、開業資金、資格などについて解説していきます。
リフレクソロジストとして開業したい人、リフレクソロジストのお仕事に興味がある方はぜひご参考ください。
Contents
リフレクソロジーについて
リフレクソロジーとは、体の反射区(足裏・手・顔にある)を刺激し、内臓や器官を整え、体が本来持つ治癒能力を引き出すことを目的として行う施術法です。
足つぼマッサージは足裏のツボをピンポイントで刺激して体を整える施術です、それに対してリフレクソロジーはもう少し広い範囲で刺激して体を整えるという違いがあります。
ただし、足つぼマッサージとリフレクソロジーには違いがありますが、一般的に同じ意味合いで使用されていることも多いです。
どちらも足裏にあるツボや反射区という内臓や器官と関係している部分を刺激し、体調を整える施術ということで同じように考えられています。
マッサージの種類 | 特徴 |
---|---|
足つぼマッサージ | 足裏のツボをピンポイントで刺激する |
リフレクソロジー | 足裏・手・顔にある反射区(ツボより広いポイント)を刺激する |
※このように正確には2つの施術は違いますが、日本では同じ意味合いとして使われることが多い
※本記事では足つぼマッサージとリフレクソロジーを同じような意味だと考え、リフレクソロジーで統一する
では、次にリフレクソロジーの資格についてご紹介します。
資格はいる?
リフレクソロジストとして開業するために必要な資格は特にありません。
そのため、いつでもだれでもリフレクソロジストとして開業することが可能です。
しかし、リフレクソロジストというお仕事は知識や技術が必要不可欠です。
そのため、実際に開業しているリフレクソロジストのほとんどが民間資格を取得しています。
資格がある方がお客様の安心感や信頼感にもつながるので、リフレクソロジストとして開業するなら民間資格を取得するのがおすすめです。
次にリフレクソロジーのおすすめ資格をご紹介します。
リフレクソロジーのおすすめ資格
リフレクソロジーには大きく分けると西洋式と東洋式があります。
資格によって違うので、資格を取得する前に確認するようにしましょう。
資格を取得することでリフレクソロジーの知識を基本的なところから学ぶことができます。
同時にサロンで働くなどして技術を高めてから開業すれば知識・技術の両面からお客様が満足できる施術を行うことができるでしょう。
実際には開業するために絶対に必要な資格はありませんが、資格を取得すると開業の後押しになるでしょう。
日本リフレクソロジスト認定協会(JREC)
1999年に発足した団体が認定を与える資格。
西洋式の考え方が基本です。
リフレクソロジーを含む自然療法によって人々の健康促進・QOL(生活の質)の向上を目的としています。
取得できる資格名 | 資格の取得方法 |
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レギュラークラス マスタークラス トップインストラクター など | JREC加盟校での講座受講後、筆記試験で合格すると取得可能 |
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)
西洋式の考えが基本となっています。
雇用機会を増やす・職業能力を高める・経済活動を発展させることを目的とした協会です。
取得できる資格名 | 資格の取得方法 |
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リフレクソロジスト資格 | リフレクソロジスト資格取得講座を修了すると取得可能 |
日本ヒーリングリラクゼーション協会(JHRS)
西洋式の考え方が基本となっています。
人を癒すことを目的とした協会。
取得できる資格名 | 資格の取得方法 |
---|---|
リフレクソロジープロライセンス実技師 ヒーリングバイブレーション実技師資格 | 日本リフレクソロジスト養成学院で指定講座を受講後、試験に合格すると取得可能 |
一般財団法人日本整体セラピスト認定協会
東洋式の考え方が基本となっています。
集中力を高めるために神経を強く刺激するという特徴の施術です。
この協会では西洋式のリフレクソロジーの資格も取得できます。
取得できる資格名 | 資格の取得方法 |
---|---|
東洋式リフレクソロジーコース修了認定 | 東洋リフレクソロジーコースの講座を受講後、認定試験に合格すると取得可能 |
では、次にリフレクソロジストとして開業するために必要な心得をご紹介していきます。
リフレクソロジストとして開業するための心得
リフレクソロジストとして開業するためには事前に知っておくとよい心得があります。
雇われた状態でリフレクソロジストとして働く場合と自分で開業してリフレクソロジストとして働く場合では必要な心得に違いがあります。
これから、リフレクソロジストとして開業するために必要な心得をご紹介していきます。
開業のためには知識・技術が必要
まずはお客様にとって納得がいく施術ができるような技術力・リフレクソロジーについての知識力が必要です。
いくら開業に資格が必要ないからといって、技術力も知識力もないリフレクソロジストの施術ではお客様が満足できず、リピーターとなってくれないでしょう。
開業後に経営を軌道に乗せるためにはリピーターのお客様を増やすことが大切です。
まずは、お客様が納得のいく施術できるようになることが大切です。
経営力も必要
開業するにはリフレクソロジストの知識や技術力はもちろん必要ですが、サロンを持続させるには経営力も必要です。
集客のための知識や努力、会計のスキル、接客スキルなども必要です。
ただ単にリフレクソロジストとしての腕を磨くだけではなく経営の腕も磨いていきましょう。
まず、お客様にお店の存在を知ってもらうために大切な集客方法をいくつかご紹介します。
リフレクソロジスの集客方法①:ホームページ
お店のホームページを作成して集客を自動化できるようにしましょう。
今は多くのお客様がスマートフォンで検索し、ホームページを見てから来店するか決定します。
ホームページでサロンの特徴や強みなどを情報発信して他店との差別化を図ってみましょう。
ホームページを作成するのが難しいという方でも無料で簡単にできるツールもたくさんあるので、一度調べてみましょう。
リフレクソロジスの集客方法②:口コミサイト
最近はインターネットで調べてからサロンを予約するお客様が多いです。
有名口コミサイトなどにまずは新規店舗として登録し、お店の存在をお客様に知らせましょう。
最初は無料で掲載できるプランなどもあるので、無料プランで試してみるのも良いでしょう。
リフレクソロジスの集客方法③:チラシ
チラシ広告は古典的な方法ですが、サロンの近くに住む地域の人に直接アピールすることができます。
サロンの近くに住む人の場合、施術が気に入ればリピーターになってくれる可能性も高いです。
最初は、サロンの近くの人へのお得なサービスなどをチラシに載せて、一度サロンに足を運んでもらうようにしましょう。
リフレクソロジスの集客方法④:地域誌
地域誌のサロン情報の欄に載せてみるのも良いでしょう。
地域誌を読む人はサロンの近くに住む人も多いため、チラシ同様にリピーターのお客様に出会いやすいです。
地域誌を見た人限定のお得なプランなどを載せて、まずは一度サロンに足を運んでもらいましょう。
このような方法でまずは、新規にサロンへ来店してもらい、リピーターのお客様を増やしていくことで安定した経営が続けられるでしょう。
では、次リフレクソロジーサロンを開業するために具体的な方法をご紹介します。
開業のための具体的な方法
リフレクソロジストで開業するための心得をしっかりと確認したら、次に開業に向けた具体的な準備を始めていきましょう。
開業の際に必要な手続きや必要なアイテムについてご紹介します。
開業に向けての手続きについて
リフレクソロジストとして開業するにあたって必要な手続きは税務署での手続きです。
この手続きを最初にすることでスムーズに開業がスタートできるでしょう。
税務署での手続きについて説明していきます。
税務署での手続き
「開業届」という事業を開業するときに必要な届を税務署に提出します。
開業届と同時に「青白申告」の届け出を行うと、開業に必要な資金を経費として計上することができます。
開業届と当時に青色申告の手続きも行いましょう。
開業後は確定申告をしよう
開業届を出して開業した後は、毎年年度末に確定申告をしなければなりません。
確定申告をきっちりと行って、納めるべき税金額をはっきりとさせる必要があります。
確定申告の方法が分からない場合は、税務署にて無料相談を行っている場合もあるので、一度相談してみると良いでしょう。
開業に向けて必要なアイテムを集めよう
次に、開業に向けて必要な物を集めましょう。
お店の雰囲気やコンセプトに合わせた雑貨や家具などで統一してお客様がリラックスできる環境を目指していきましょう。
では、開業時に必要な物をいくつかご紹介します。
- ベッド
- 椅子
- テーブル
- シーツ
- タオル
- フットバス
- スリッパ
- 棚
- 着替え
- 消毒グッズ
- オイル
- 領収書
- 名刺
- 筆記用具
- BGM など
このようなグッズは最低限でも必要になってくるでしょう。
お店の雰囲気に合わせてかわいい雑貨や、お客様にリラックスしてもらうためのドリンクなど準備してみてもいいかもしれません。
最近は安い家具店や雑貨もたくさんあるので、30万円~50万円程度で揃えられるでしょう。
他にも最初は出費がかさむので、できるだけ費用を抑えながらおしゃれなサロンに仕上げていきましょう。
便利なシステムを導入しよう
最近はインターネットで予約できるサロンがあったり、クレジットカードやスマートフォン決済できるサロンがあったりと便利なシステムを導入するサロンも増えています。
このような便利なシステムを導入している店舗を選びたいという人も増えているので、開業のタイミングからこういったシステムを導入しておくと良いでしょう。
最近は現金を持ち歩かないという人も多いので、現金しか使えない店舗を避けるお客様もいます。
クレジットカード決済やスマートフォン決済ができるようにしておきましょう。
- インターネット予約
- スマートフォンで貯めるポイントカード
- クレジットカード決済
- スマートフォン決済
開業方法を決定しよう
リフレクソロジストとして開業する方法は店舗を借りて行う方法・自宅サロンを開く方法・出張などいくつかあります。
実際に開業するためには開業方法を決定しなければなりません。
開業方法によって開業に必要な資金も違うので、そのあたりも比較してから決定することが大切です。
開業方法別に必要な予算については次の「開業に向けて必要な予算」で詳しく説明していきます。
開業に向けて必要な予算
具体的な開業方法が分かったら次に気になるのは開業に必要な資金ではないでしょうか。
初めて開業する人は開業の際にかかる費用は想像もできないかと思います。
そのような方のために、開業準備として必要なおおよその予算を開業方法別にご紹介します。
開業資金について(開業方法別)
リフレクソロジーサロンを開業するときに主に必要な費用は備品と開業する方法によって変わります。
これから開業方法別に開業資金についてご紹介します。
【自宅サロン】30~50万円程度
開業資金を安く抑えようと思ったら自宅サロンが良いでしょう。
自宅サロンの場合、お店の賃貸料・敷金・礼金などが必要ありません。
もともと住んでいる自宅にサロンを開設するので、サロンの備品などを揃えるだけで開業できるのでリスクも少なくて済みます。
自宅サロンのメリット | 自宅サロンのデメリット |
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開業資金が安い 子育て中でも働きやすい 時間の融通がきく | 集客で工夫が必要 立地を選べない 家族・ご近所とのトラブルに注意が必要 |
【賃貸サロン】130万円~
賃貸物件を借りてサロンを行う方法です。
サロンなどのお店を行う場合は、住居用ではなく店舗用の物件を選びましょう。
一般的に住居用物件でサロンを開業するのは契約違反などになる場合があるので、おすすめできません。
必要経費項目 | 金額 | 内訳 |
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物件に関する費用 | 約100万円 | 敷金約30万円 礼金約20万円 保険約19万円 手数料約10万円 初回賃料約10万円 その他火災保険 等 |
備品 | 約30~50万円 家具の価格によって変動します | 棚 ベッド 椅子 ホットキャビ 等 |
賃貸サロンのメリット | 賃貸サロンのデメリット |
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立地を選べる 集客がしやすい プライベートと分けられる | 自宅サロンよりは開業・運転資金がかかる 立地の良い場所は比較的賃貸料が高い 内装工事費用がかさむ場合がある |
【レンタルサロン】サロンの日数による
レンタルサロンとは、借りたいときだけ借りられるサロンのことです。
1時間3,000円程度でレンタルできるサロンが多いですが、立地などによっても変わってくるので事前に確認しましょう。
短期契約が多いので、経営状況に合わせて契約期間を見直すことができます。
賃貸サロンのように敷金・礼金・内装工事も必要ないので初期費用を抑えて開業することができます。
ただし、家具は持ち込み不可のところが多いので、事前に確認しましょう。
必要経費項目 | 金額 | 内訳 |
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物件に関する費用 | 賃料のみ | — |
備品 | 0円 | 家具は持ち込み不可が多い |
レンタルサロンのメリット | レンタルサロンのデメリット |
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初期費用が安い 開業時のリスクが少ない 副業としてもおすすめ | 看板が出せないので集客が難しい 家具などが選べない 売り上げが安定しにくい |
【出張サロン】2万円~
出張サロンとはお客様のご自宅や指定の場所にリフレクソロジストが出張して開業する形式のサロンです。
持ち運びできるベッドと椅子があればできるので、開業費用はかなり抑えることができます。
開業資金を抑えられるというメリットはありますが、お客様にサロンの存在を認知してもらうのが難しいという点や移動時間のロスも多い点などを考えると長期的な経営は難しいです。
必要経費項目 | 金額 | 内訳 |
---|---|---|
物件に関する費用 | 0円 | — |
備品 | 約2~5万円 家具の価格によって変動します | ベッド椅子 |
出張リフレクソロジストのメリット | 出張リフレクソロジストのデメリット |
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開業資金が安い どこでも行える 移動が難しいお客様に施術できる | 時間ロスが多い 集客が難しい 安定した経営が難しい |
このような方法で開業することができます。
自分が開きたいサロンのイメージと開業資金として使える金額などを考えて開業方法を決定していきましょう。
では、次にリフレクソロジーサロンを開業するときに注意すべき点をご紹介します。
リフレクソロジーサロンを開業するときに注意すべき点
リフレクソロジーのサロンを開業するときに注意すべき点が1つあります。
それは、「マッサージ」「診断」「治療」という表記で広告や宣伝をしてはいけないという点です。
こういった行為ができるのは「あん摩マッサージ師」「はり師」「きゅう師」などの国家資格を持っている人だけです。
国家資格を持たない人が開業する場合は、「マッサージ」「診断」「治療」といった表記は避けましょう。
では、次にリフレクソロジストとして開業して成功するためのポイントをご紹介していきます。
リフレクソロジストとして開業して成功するには
リフレクソロジーのサロンを開業するのは誰でもできます。
しかし、サロンの経営を続けていくのは簡単ではありません。
知識や技術だけでなく経営スキルや集客努力も必要です。
これから、リフレクソロジーサロンを開業して成功させるためのポイントをご紹介します。
リフレクソロジー以外のメニューも増やそう
リフレクソロジーは人気の施術ですが、リフレクソロジーだけを目的に来られるお客様は少ないです。
リラクゼーションの施術と合わせてリフレクソロジーも受けるお客様、エステのオプションでリフレクソロジーを受けるお客様など、何らかの施術のオプションとして施術を受けられる方が多いです。
そのため、リフレクソロジー以外のメニューも増やしておくのが良いでしょう。
リフレクソロジーを受けに来るお客様はどのようなメニューがあれば嬉しいかなど、顧客目線で考えてメニューを増やしてみましょう。
お客様と信頼関係を結ぶ
リフレクソロジーを行うためにはもちろん知識や技術が必要です。
しかし、カウンセリングや施術中のお客様との会話で悩みを聞き出し、お客様に合った施術を行うことも大切です。
お客様は誰にでもお悩みやお困りを話せるわけではありません。
この人になら話せると思われなければ、なかなか心を開いてくれません。
セラピストは施術中にお客様の話を上手に聞いて、お客様と信頼関係を築いていくことが大切です。
信頼関係が築けると、リピーターとなってくれる可能性もぐんと上がります。
施術も大切ですが、お客様と信頼関係を結ぶことも大切にしていきましょう。
経営だけを目的としない
個人でサロンを開業すると経営を続けていくためにどうしても経営ばかりに気を取られてしまいがちです。
しかし、経営や売上ばかりに気を取られていると、お客様への対応が雑になってしまったりしまいがちです。
そうなってしまうとお客様もだんだんと減って、経営も難しくなってきます。
経営も大切ですが、お客様を大切にするという気持ちは忘れないようにしましょう。
勉強を続けよう
サロンを開業すると一人前になったような気がして勉強を怠る人が中にはいます。
しかし、リフレクソロジーの世界は奥が深く新しい知識もどんどん出てきます。
そのための講座や勉強会などもたくさん開かれています。
開業すると忙しくなって、なかなか勉強する時間が取れなくなりがちですが、毎日少しでも勉強を続けていきましょう。
毎日コツコツと勉強を続けているセラピストと勉強を怠っているセラピストとではどんどんと差が開いてくるでしょう。
いつまでも勉強を続けてお客様により満足いただけるセラピストを目指しましょう。
まとめ
リフレクソロジーとは足裏の反射区を刺激して心身の調子を整える施術方法です。
最近はリフレクソロジーのサロンを開業するセラピストも増えています。
リフレクソロジーで開業するために絶対に必要な資格はありません。
しかし、リフレクソロジーは知識や技術が必要な仕事です。
開業を目指すのならリフレクソロジーの民間資格を取得するのがおすすめです。
リフレクソロジーサロンを開業するには、自宅サロン・店舗サロン・レンタルサロン・出張サロンなどの方法があります。
どの方法で開業するかによって初期費用が変わってきます。
自分が働きたい仕事スタイル、開業資金などを考えて開業方法を決定しましょう。
リフレクソロジストとして開業した場合は、知識や技術だけでなく経営力も必要です。
お客様を癒すという1番の目的を忘れないようにしながらも経営努力を続けて、長くお客様に愛されるようなサロンを継続していきましょう。