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コラム

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リンパマッサージとリンパドレナージュってどう違うの?特徴や起源について

リンパマッサージとリンパドレナージュってどう違うの?特徴や起源について

リンパマッサージとリンパドレナージュって同じ施術?

リンパドレナージュって聞き慣れないけど、どういう意味があるの?

「リンパマッサージ」と「リンパドレナージュ」は同じ意味があるのか?

と迷ったことがある方もいるのではないでしょうか。

どちらもリンパに働きかける施術であるということは分かっていても、詳しく理解している人は少ないでしょう。

ここでは、「リンパマッサージ」と「リンパドレナージュ」の違いや方法などについて詳しく解説していきます。

リンパマッサージとリンパドレナージュの違いとは

リンパマッサージとリンパドレナージュの違いとは

リンパマッサージとリンパドレナージュは名前が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

言葉の意味が違う

マッサージとドレナージュでは言葉の意味が違います。

その言葉の意味の違いから説明していきます。

  • ドレナージュ →  排出
  • マッサージ  →  圧をかける

ドレナージュの語源はフランスで「排出」という意味があります。

つまりリンパドレナージュは「リンパを排出する」という意味です。

リンパドレナージュとはリンパ液の流れをスムーズにし、老廃物を排出させることで自己免疫力を高めるという施術方法です。

フランスなど欧米では主に医療目的でリンパドレナージュが行われてきました。

一方、マッサージとは筋肉の凝りをほぐすために「圧をかける」施術方法です。

日本で昔からあるあん摩マッサージや整骨院でのマッサージが本来のマッサージという意味に近い施術です。

言葉で見るとリンパマッサージはリンパに圧をかけるという意味合いがありますが、実際に日本で行われているリンパマッサージは押すというより流すイメージで行われる施術内容のところが多いです。

つまり、リンパマッサージとリンパドレナージュはほぼ同じような施術を表す言葉です。

どうして呼び方が統一されていないのか?

「ドレナージュ」という言葉が、日本で浸透しなかったためだと考えられています。

リンパドレナージュという言葉は日本人には発音しづらいということもあり、日本で広まりませんでした。

そのため、本来はリンパドレナージュという意味の施術がリンパマッサージと呼ばれるようになりました。

どうして呼び方が統一されていないのか?

リンパドレナージュについて

日本ではリンパマッサージとリンパドレナージュに大きな違いがないということが分かったので、これからリンパドレナージュという言葉で統一して呼びたいと思います。

リンパとは?

リンパとは体の中にあるリンパ管・リンパ液・リンパ節の総称のことを言います。

リンパ管は体の抹消部分から最終的に静脈に注がれる一方通行の管のことで、リンパ管の中にはリンパ液という液体が流れています。

リンパ管の中をリンパ液が流れる速度はゆっくりで呼吸による胸の動きや筋肉の動きや外部からの刺激(リンパドレナージュ)がリンパ液を流します。

リンパ管の中にリンパ節という重要な部分がありますが、この部分がリンパ液のフィルターの役目を果たしています。

老廃物や異物が溜まりやすい構造になっているため、リンパドレナージュではリンパ節を念入りにほぐしていきます。

リンパとは?

リンパ液とは?

リンパ液とはリンパ管の中を流れる液体のことです。

リンパ液の主要な成分は血液内にある血しょうで、リンパ液内には老廃物・細菌・ウイルスなどが含まれています。

リンパ液の流れが滞ると老廃物や異物が体に溜まってしまうことになり、冷えや疲労の原因になります。

リンパ液に含まれるもの

  • 水分(血しょうの成分)
  • リンパ球
  • 電解質
  • 脂肪
  • 老廃物
  • ウイルス
  • 細菌 など

このようなものがリンパ液の中に含まれています。

体の中の不要物が流れていることからリンパ管は「体の下水道」と呼ばれることもあります。

リンパドレナージュの効果

リンパドレナージュにはリンパ液の流れをよくして、リンパ液内の異物・老廃物など体にとって不要なものの排出を促すという目的があります。

老廃物の排出を促すことでむくみ改善、肌質改善、アンチエイジング、ダイエットなどの効果が期待できます。

リンパドレナージュの効果

リンパドレナージュには医療目的・美容目的の施術がある

リンパドレナージュには医療目的と美容目的の施術があります。

これから、それぞれの違いについて詳しく説明していきます。

医療用リンパドレナージュ(リンパドレナージ)

医療用リンパドレナージとは主にリンパ浮腫の患者さんに行われる施術です。

2010年に日本リンパ浮腫学会によって医療用のリンパドレナージュのことを「リンパドレナージ」という呼び名で呼ぶように統一されました*。

リンパ浮腫とは何らかの原因でリンパの流れが滞ることによって起きる病気です。

リンパ浮腫の患者さんに対し、リンパドレナージを行うことでリンパの流れを良くし、症状を改善するという効果が期待できます。

また、最近は産婦人科で出産後にリンパドレナージを受けられるところもあります。

産後にリンパドレナージを受けることでむくみや疲労を改善するという効果があります。

参考:日本リンパ浮腫学会HPより

医療用リンパドレナージュの目的

病気(主にリンパ浮腫)などが原因でリンパの流れが悪くなった患者さんの症状を改善することです。

美容用リンパドレナージュ

美容用リンパドレナージュはマッサージサロンなどのサロンで行われる美容目的の施術です。

美容用リンパドレナージュは病気の治療が目的でなく、日常生活の悩みに向けたアプローチとして行われます。

美容用リンパドレナージュの目的

主に日常生活での悩み解決や美容目的で行われています。

リンパドレナージュの目的と効果

リンパドレナージュの種類目的効果施術場所
医療用リンパ浮腫の症状改善むくみ改善リンパ液の流れを良くし、老廃物の排出を促し、症状を改善させる病院などの医療機関
美容用むくみ改善冷え改善痩身(セルライト除去)たるみ取り疲労回復リラクゼーション免疫力UP アンチエイジング などリンパ液の流れを良くし、老廃物の排出を促すことで、目的達成に近づけるエステなどのサロン

リンパドレナージュは介護現場でも注目を集めている

今まではリンパドレナージュは病院かエステサロンで受けることが多かった施術です。

しかし現在、リンパドレナージュは介護の現場でも期待されています。

リンパドレナージュでリンパ液を流すことによって高齢者の方の疲労回復や体のケアになります。

また、リフレッシュするという効果も高いので、精神的な面にも良い効果が期待されています。

リンパドレナージュは介護現場でも注目を集めている

リンパドレナージュを行うための資格について

リンパドレナージュの施術を行うためには資格が必要なのか、と気になった方もいるのではないでしょうか。

では、これからリンパドレナージュの資格について説明していきます。

リンパドレナージュには資格が必要?

医療用・美容用ともにリンパドレナージュを行うために必須の資格はありません。

しかし、一般的に医療用リンパドレナージュを病院で行うためには、採用の際に民間資格が必要になるところも多いです。

また、美容用リンパドレナージュでも民間資格の取得が必要になるサロンもあります。

多くの民間資格は認定を受けた教育機関でのカリキュラムや資格講座の受講をしなければなりません。

これからリンパドレナージュの施術を行いたい方は採用に有利な資格取得をおすすめします。

おすすめ資格 (医療用リンパドレナージュ)

  • 日本リンパ浮腫治療学会リンパ浮腫療法士(リンパ浮腫療法士)
  • 医療リンパドレナージセラピスト
  • マニュアル・リンパドレナージ

おすすめ資格(美容用リンパドレナージュ)

  • オリエンタルリンパドレナージュセラピスト資格
  • リンパケアセラピスト資格
  • リンパリファインセラピスト資格

リンパドレナージュの資格取得を応援する通信講座やスクールなどもあります。

ご興味がある方はこちらをご覧ください。

【ジャパンセラピストスクールのリンパ講座】

整筋リンパマッサージ

アロマリンパマッサージ

リンパドレナージュの方法(大切なポイント)

次にリンパドレナージュを行う上で大切なポイントを説明していきます。

リンパドレナージュでは「順番」が大切

リンパドレナージュを行うときに大切なポイントは「順番」です。

リンパ液の流れは一方通行なので、流れに沿って行わなければなりません。

流れに反してリンパドレナージュを行うとリンパの流れを更に悪くしてしまう可能性もあります。

リンパドレナージュを行うときは体の末端から鎖骨に向かって正しい順番で行いましょう。

リンパドレナージュでは「鎖骨」が大切

鎖骨には「鎖骨リンパ節」というリンパ節の中で最も重要なリンパ節があります。

リンパ節は体の中に約800ヶ所もありますが、その中で最も重要な個所がこの鎖骨リンパ節です。

鎖骨リンパ節はリンパ管の出口部分なので、この部分が詰まっていると老廃物をうまく排出できません。

そのため、リンパドレナージュを行うときにはまず鎖骨リンパ節をほぐす必要があります。

エステサロンや病院でリンパドレナージュを受ける時はセラピストの方の施術を受動的に受けるだけなので心配はいりませんが、自分で行うときは「まず鎖骨部分から」行うように注意しましょう。

リンパドレナージュでは「鎖骨」が大切

リンパドレナージュでは「流す方向」が大切

リンパを流す時には「方向」が大切です。

鎖骨部分をほぐしたら、次に鎖骨から離れたところから鎖骨に向けてリンパを流していきます。

反対方向にリンパを流しても老廃物の排出につながりません。

リンパドレナージュでは鎖骨から離れたところから「リンパ節」に向かって流すことが基本になります。

腕であれば指の先から鎖骨へ、足であれば足の指先から股関節へ流していきます。

リンパドレナージュでは「流す方向」が大切

リンパドレナージュでは「強さ」が大切

リンパドレナージュでは強さが大切です。

強くリンパを押した方が効果が上がると思いがちですが、強く押しすぎるとリンパ管を傷つけてしまうこともあります。

リンパは皮膚から比較的近いところにあるので、強く押しすぎると刺激を受けすぎることになります。

そのため、優しく気持ちよい程度の力で行うことが大切です。

リンパドレナージュでは「水分」が大切

リンパドレナージュの施術前にコップ1杯程度の水分を摂るようにしましょう。

リンパドレナージュの施術後にリンパを流しやすい状態にするために水分補給しておくことが大切です。

冷たい水では体を冷やしてしまう可能性があるので、常温もしくはぬるめの水を飲むことをおすすめします。

リンパドレナージュは「タイミング」が大切

リンパドレナージュは食後に受けないようにしましょう。

食後は消化のために血液が胃に集中します。

リンパドレナージュを食後に行うと本来であれば消化のために胃に送られる血液が全身に流れるので、消化不良を起こしてしまう可能性があります。

自分で行う場合は、体の血行が良くなっているお風呂上りが良いでしょう。

お風呂上りはリンパが流れやすいタイミングなので、家で行うときはお風呂上りがおすすめです。

お風呂上りに行うときには水分補給も忘れないようにしてください。

リンパドレナージュの流れ

上で説明したようにリンパドレナージュでは「順番」が大切です。

これからリンパドレナージュの一般的な流れについて説明していきます。

一般的なリンパドレナージュの流れ

  1. 鎖骨部分をほぐす
  2. 首・肩・顔をほぐす
  3. 脇・腕をほぐす
  4. 股関節をほぐす
  5. 足をほぐす

という流れが一般的な流れですが、施術者や施術場所によって違いがあります。

まとめ

リンパマッサージとリンパドレナージュは日本ではほぼ同じ意味合いで、どちらも「リンパの流れを良くして体に溜まった老廃物を排出するのを手助けする施術」という意味で使用されています。

リンパドレナージュは医療用と美容用があり、その目的や効果には違いがあります。

医療用の目的は病気などの症状改善、美容用の目的は美容の悩み改善です。

どちらも目的に違いがありますが、リンパの流れにアプリーチするという意味では同じです。

またリンパドレナージュを行うときに大切なのはその順番や方法です。

まずは鎖骨部分をほぐすことが大切です。

リンパドレナージュの施術をする場合には、正しい知識を習得する必要があります。

リンパドレナージュにはいくつかの民間資格もあるので、ご興味がある方はスクールや通信講座で勉強してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

ジャパンセラピストスクール松山校 代表 松本千弥

ジャパンセラピストスクール松山校 代表 松本千弥

30年以上もの現場経験と実績を基に、対お客様だけでなく、培ったノウハウを伝えて、新たなセラピストやエステティシャンの育成にも注力。
より多くの優れたのセラピストやエステティシャンを育成し、エンドユーザーの満足度を高めるだけでなく、美容・エステ業界全体へ貢献する。
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